二階に引っ越し

ずっと十数年、三階で暮らしていた。
最初、十五年くらい前の私の部屋は二階。三階は元恋人=DV加害者の部屋だった。一番日当たりのいい部屋。
その時の話し合いを覚えてないからなんでそうしたのか分からない。

そして加害者を追い出し、掃除して、私が三階に。
好きな音楽をかけ、大きなウォールポケットに大好きなポストカードや写真を飾り、少しずつ「自分の空間」になって行った。

でも、十一年と数カ月前、外傷性クモ膜下出血脳梗塞水頭症で倒れ、右半身不随に。救急の病院の医者には「田中さんは発語と自分で身体を動かすのは無理です」と言われていたのに、四ヵ月半の入院生活と十ヵ月の通院で療法士の人も「奇跡的な回復」と驚くほどに回復。

でも、ここ一、二年、膝と脚に限界を感じる。寄る年並みなのか。
だから、夕べからまた二階で寝ることに。ここには私の後、三人が暮らした。

今日からまた何もないところから空間作りが始まる。二階の部屋は小さな流しがあり、それなりに便利。今度はどんなふうにしようかな。